Coaching―ハンス・オフトのサッカー学
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アイコンタクト、スリーラインなど懐かしい言葉が並ぶ
「ドーハの悲劇」の後、ジュビロ磐田の監督に就任したハンス・オフトが著した技術書。
著したといっても、訳者 大原 裕志氏(実在の人物ではなく、複数の人物による共訳といわれる)の<超訳>で、オフトがどこまでちゃんと原稿を書いたか、ちょっとギモン。
内容は、練習方法よりも指導にあたってのコンセプトが中心に論じられており、コーチ論、戦術論、技術論、の各章に分かれる。まさに副題とおり、<サッカー学>といった趣きだ。
ただ、書名のCOACHING(コーチング)に始まり、アイコンタクト、スリーラインなど懐かしい言葉が並ぶその論旨はいたってオーソドックスで、今となっては目新らしさはない。
いやいや、本書当時のことを思い出してみよう。W杯の開催も出場も未だ現実のものではなかった当時とすれば、本書の内容は十分に斬新であったのだ。
オフトが当時の代表選手たちに、母国オランダではユース選手に教えるような<当り前のこと>を教えたように、日本の読者も本書によって<当り前のこと>を学んだのだ。
そして今、本書の内容を<当り前のこと>と受け止められるようになった我々が存在すること自体、出版から十数年を経る間に、日本のサッカー文化が進化した証(あかし)といえるんじゃないか(ちょっと自賛しすぎか)。■
日本サッカーを変えた「サッカー教育者」オフト
オフトの功績の一つはサッカー指導における「言葉」の大切さを認識させた事だろう。
オフト以前はただ「(ボール保持者を)サポートしろ」などという抽象的な言葉が日本サッカー界の中で使われていた(代表レベルにおいても!)マスコミの報道も同じレベルだった。
彼はどのようにサポートすれば良いのか「トライアングル」の一言で表現してみせたのだ。
この本の中でも、おなじみの、アイコンタクト、チェイシング、スモールフィールド、コーチング・・・日本人でも「ピクチャー」(オフト用語)が浮かぶ簡潔な言葉を使い(紹介し)誰にでも分かりやすいコーチングの本になっている。
今、順調に進んできた、日本のユース以下の代表が行き詰まりを見せているという。
この偉大な教育者の知識をもう一度、ユース年代以下の監督やアドバイザーとして生かして欲しいと思うのは私だけだろうか。
浦和や磐田で証明されたように臨機応変に対応する「勝負師」ではなかったけどね(爆